三言語の表記
日本語ユーザ要求仕様書略称:URS
EnglishUser Requirement Specification
中文用户需求说明(URS)

ユーザ要求仕様書とは

URSは、システムや設備を使う側が、業務上必要な機能・性能・規制対応などを整理して書く要求の文書です。ベンダーの機能仕様書とは異なり、利用者の視点で何が必要かを示します。バリデーションでは試験項目の出発点となり、トレーサビリティマトリクスで要求とテストを結びます。曖昧な要求は後の試験が成り立たなくなるため、検証可能な書き方が重要です。

URSに書く中身と、書き方の例

URSは「何を実現したいか」を利用者の言葉で書く文書で、「どう実現するか」は書きません。MES導入のURSなら、おおむね次の章立てになります。

  • 目的と適用範囲(対象工場、工程、品目)
  • 業務要求(ロット番号の採番、工程実績の記録、逸脱の記録と承認など)
  • 規制要求(電子記録・電子署名、監査証跡、保存期間)
  • 性能・運用要求とインターフェース要求(応答時間、稼働時間帯、ERPや設備との連携)

要求には1件ずつ番号を振ります。「URS-QA-012 工程実績の修正は、修正前の値、修正者、修正日時、理由を残さなければならない」のように、判定できる基準を持つ1文にすると、あとで試験項目に変換できます。「使いやすい画面であること」のような文は合否を判定できず、試験が書けません。「必須」と「望ましい」を言葉で区別しておくと、ベンダー選定の議論も短くなります。

FS・DSとの違い

文書書く側答える問い試験との関係
URS(ユーザ要求仕様書)利用者何が必要かPQ・受入試験の出発点
FS(機能仕様書)ベンダーシステムは何をするかOQの出発点
DS(設計仕様書)ベンダーどう作るかIQ・単体試験の出発点

ひとつの要求は複数の機能で満たされるのが普通で、この対応を記録するのがトレーサビリティマトリクスです。URSの番号が抜けている行があれば、その要求は実装も試験もされていないとすぐ分かります。

英語と中国語での言い方

英語では User Requirement Specification で、略語は URS です。複数形の User Requirements Specification という表記もよく見かけます。文中では "the URS defines what the system must do" のように使い、個々の要求は user requirement、要求を集める作業は requirements gathering と言います。中国語では 用户需求说明 または 用户需求规格书 で、略語はそのまま URS が通じます。要求の1件1件は 需求条目、必須要求は 强制性需求 と書きます。

MESプロジェクトでURSを使うときの確認点

  • 要求IDを設計書、試験手順書、課題管理まで持ち回る。監査で「この要求はどこで検証したか」に即答できます
  • パッケージ製品では、要求ごとに「標準機能」「設定」「カスタマイズ」の区分をつける。カスタマイズに分類された要求が、リスクベースの検証で重点対象になります
  • 規制要求と業務要求を混ぜない。規制に由来する要求は別章にまとめ、根拠を添えておくと、規制改訂時に見直す範囲が限定できます

よくある質問

URSは規制産業でなくても必要ですか?

バリデーションの義務がない業種でも、作る価値はあります。利用者が自分の言葉で要求を書くことで、ベンダー提案との食い違いが契約前に見つかり、受入試験の判定基準にもなります。形式は簡素でよいですが、番号づけと判定基準の明記は同じように効きます。

URSはベンダーに書いてもらってもよいですか?

草案作りの支援はよくありますが、内容の責任は利用者側にあります。ベンダーが書いたURSは製品の機能に沿った表現になりやすく、自社固有の業務要求が抜けることがあります。業務要求と規制要求の章は、自社の担当者がレビューして承認してください。

深く知る

Definition (English)

A document in which the user side states the functions, performance and compliance needs a system or equipment must meet. Unlike a vendor's functional specification, it takes the user's view and is the starting point for validation tests, so requirements must be verifiable.

释义(中文)

使用方整理并撰写系统或设备在业务功能、性能和合规方面需求的文件,与供应商的功能说明不同,是站在用户角度的需求。它是验证测试的起点,因此需求必须可验证。

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出典表記の例

株式会社サオス MES-DX「MES用語集:ユーザ要求仕様書(URS)」https://mes-dx.com/terms/urs(CC BY 4.0)

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  <p>URSは、システムや設備を使う側が、業務上必要な機能・性能・規制対応などを整理して書く要求の文書です。</p>
  <footer>出典:<a href="https://mes-dx.com/terms/urs">株式会社サオス MES-DX「MES用語集:ユーザ要求仕様書(URS)」</a>(<a href="https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja">CC BY 4.0</a>)</footer>
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この記事を書いた人

株式会社サオス

株式会社サオス MESソリューション部

DELMIA Apriso を中核とした MES / 製造DX の導入・運用・人材育成を手がけるITコンサルティング企業。ISO 9001:2015 / ISO 27001:2022 認証取得。 日本・中国・米国で製造業のMES導入を手がけた実務者が、欧米・中国の一次情報にあたって書いています。