| 日本語 | 設計履歴ファイル略称:DHF |
|---|---|
| English | Design History File |
| 中文 | 设计历史文件(DHF) |
設計履歴ファイルとは
医療機器の設計開発の経過を、計画、入力、出力、レビュー、検証、妥当性確認、変更の記録としてまとめたファイルで、米国FDAの要求に由来する用語です。製品が設計計画どおり開発されたことの証拠となります。製造の仕様書であるDMRや、個々の製品の製造記録であるDHRとは区別されます。なお米国では2026年2月に施行された品質管理システム規則(QMSR)でISO 13485を参照する形に改められ、DHF・DMR・DHRは規則本文の用語ではなくなりましたが、実務や過去の文書では今も使われます。
DHFに入る記録と、設計開発の流れとの対応
DHFは、設計開発の手順(設計管理)で生まれる記録を製品ごとに集めたものです。段階ごとの記録はおおむね次のとおりです。
- 設計計画:設計開発計画書、担当と責任、レビューの時期
- 設計入力:ユーザーニーズ、使用目的、性能要求、規制・規格の要求
- 設計出力:図面、仕様書、受入基準。DMRの基礎になる
- 設計レビュー・検証・妥当性確認:議事録、設計出力が入力を満たす試験記録、実使用条件での確認記録
- 設計移管:製造へ引き渡した記録、工程バリデーションの結果
- 設計変更:変更の依頼、影響評価、承認、再検証の記録
実務では、設計入力の1項目ごとに「どの設計出力で実現し、どの検証で確認したか」をたどれる表を置き、DHFの背骨にします。この表に穴があると、監査で要求が検証されていないと指摘されます。
DMR・DHR・技術文書との違い
| 文書 | 答える問い | 作成の単位 | 主な読み手 |
|---|---|---|---|
| DHF(設計履歴ファイル) | 設計がなぜ、どう決まったか | 製品ごと | 設計部門、監査員 |
| DMR(機器マスターレコード) | この機器をどう作るか | 製品ごと | 製造・品質部門 |
| DHR(機器履歴記録) | このロットは実際にどう作られたか | ロット・シリアルごと | 品質保証、出荷判定者 |
| 技術文書(EU MDR) | 規制への適合をどう示すか | 製品ごと | 認証機関、当局 |
DHFは「過程の記録」、EU MDRの技術文書は「適合の証明」で目的が違いますが、中身の多くは重なります。DHFの記録を技術文書に引用できる構成にしておくと、二重作成を避けられます。
英語と中国語での言い方
英語では Design History File で、略語は DHF です。文中では "maintain a DHF for each type of device" のように使います。設計管理の全体は design controls、設計入力・出力は design input / design output、検証と妥当性確認は design verification / design validation と呼び、この2つは意味が異なるため訳し分けが必要です。QMSR以降、FDAの規則本文はISO 13485の design and development file に寄せられましたが、実務ではDHFが引き続き通用します。中国語では 设计历史文件 または 设计历史文档 で、略語はそのまま DHF です。ISO 13485由来の呼び方では 设计和开发文档 と書きます。
MESとの関係で確認すること
- MESはDHFを直接は管理しない。DHFはPLMや文書管理システムの領域で、MESは設計出力から導かれたDMRとDHRを担います
- 設計移管の記録に、MESのマスター登録と工程バリデーションの結果を含める
- MESの検査実績や不適合データを設計へ戻す経路を決める。工程内不良が設計変更につながったとき、その根拠がDHFに引用されます
よくある質問
DHFは紙のファイルでなければならないのですか?
電子でも問題ありません。設計入力から検証までのトレーサビリティを保つには、PLMや文書管理システムで管理するほうが現実的です。その場合は、監査証跡や電子署名などデータインテグリティの要求を満たす必要があります。
医療機器以外でもDHFの考え方は使えますか?
使えます。航空宇宙や自動車の設計開発でも、要求から検証までの記録を製品ごとに体系化する考え方は同じで、設計の経緯を後から説明できる状態を作るという目的は共通しています。
深く知る
Definition (English)
A compilation of records showing a medical device was developed according to its design plan, including inputs, outputs, reviews, verification, validation and changes. It originates from US FDA requirements and is distinct from the DMR and the DHR. Note that the US QMSR, effective February 2026, now incorporates ISO 13485 and no longer uses the DHF, DMR and DHR as regulatory terms, though they remain common in practice and older documents.
释义(中文)
汇集医疗器械设计开发过程记录(输入、输出、评审、验证、确认和变更等)的文件,证明产品按设计计划开发,源自美国FDA要求。与DMR和DHR不同。另外,美国于2026年2月生效的质量管理体系法规(QMSR)改为引用ISO 13485,DHF、DMR、DHR不再作为法规正文用语,但在实务和旧文件中仍常见。
関連する用語
参照した規格・文献
- 21 CFR Part 820
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出典表記の例
株式会社サオス MES-DX「MES用語集:設計履歴ファイル(DHF)」https://mes-dx.com/terms/dhf(CC BY 4.0)
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<blockquote cite="https://mes-dx.com/terms/dhf"> <p>医療機器の設計開発の経過を、計画、入力、出力、レビュー、検証、妥当性確認、変更の記録としてまとめたファイルで、米国FDAの要求に由来する用語です。</p> <footer>出典:<a href="https://mes-dx.com/terms/dhf">株式会社サオス MES-DX「MES用語集:設計履歴ファイル(DHF)」</a>(<a href="https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja">CC BY 4.0</a>)</footer> </blockquote>